ハンノキ林のこもれび通信

                                           5,6月号


 しばらく都合で、集いやその他の活動もほとんど休んでいる状態でしたが、4

月から場所も新たに決まり、集いやカウンセリング等を再開しています。

 パンフレットにもありますが、従来の集いと 新しく乳児クラブも始まりまし

た。育児の大変さを分かち合う機会を増やしたいという願いから企画しました。

 また、集いでは、より安心して参加していただけるように、いくつかの約束ご

となどもあらかじめ確認し合い、お互いの信頼関係も深めていけるようにしてい

きたいと思います。

 

「ハンノキ林」の集いから

(参加者の話から) 子どもが もうすぐ20才になるが、いまでも、なかなか

家から出れずにいる。本人は、誰か友達になってくれる人がいたら、そういう人

と一緒になら、出たいと思うと、言っている。 今までは、そういう人がいなか

ったが、もしかしたら、協力してくれる人がいるかもしれないので、親としては

、探している。

 

 最近、このお母さんも、困惑していた気持ちから、たいぶ積極的になり自信を

取り戻しつつあります。心から嬉しく思います。子どもに変化が見られないよう

に思っても、心の中は、いつの間にか、変わっていく様です。

 

教育カウンセラー富田富士也さんの思春期以後の子どものへの寄り添い方を紹介

しましょう。

 

ポイント1 ずぽらな父親であれ。

 傷だらけの人生を生きてきた父親も、子どもの前では完全主義をとりやすい。

それだけだと子どもは「父親のような立派な人間にはなれない」とすくんでしま

う。父親としての尊厳を守りながら、ずぼらである余裕を見せる。このずぼらさ

が、子への信頼感になれば関係は深まっていく。

 

ポイント2 他人を引き合いに出さない。

 他人を引き合いに出して「それに比べて」という言い方は、子どもの心をかな

り傷けることだけでも覚えておきたい。また、仲のいい友人を悪く言ってはいけ

ない。親から見たら最悪の友人でも、わが子の弱点をしっかりとその友人が支え

ていることは予想以上に多いものだ。その支えてくれる面をわが子に強調してい

くことで、一方がもつリスクをわが子はしっかりと気づいていく。

 

ポイント3 絶対表現より融通表現を多くし、何事も。"強迫的〃にならず「間」

を大切に。

 「違いない」「決まっている」「絶対にそうだ」といった言葉より、親が「か

もしれない」「じゃしやないかな」という表現を使うと、思春期の子どもはうつ

むきかげんの顔を上げ、自分の思いを語りだします。この「あいまいさに耐える

力」を身につけることが、人間の成長につながるのです。

 

ポイント4 子どもの在り方そのもので世間体を気にしたりせず、その一方で親

も人間関係から逃げない。

 親が人間関係から引きこもらないこと。関わりをけっしてあきらめないことだ

。そして「世間体よりお前が大事だ」を、子どもが問題を起こしたときも一貫し

て貫く。子どもは世間より前に、親に信頼されたいのだ。

 

ポイント5 ジョークを心がける。

 意外性をついた笑い。ユーモアを推理なくつくり出す。ダジャレのレベルから

ワンラックアップしたユーモアを、子どもにもたまには投げかけたい。それが緊

張した家族関係の間にここちよい隙間をつくり、お互いにくつろげる環境を生み

出す。ユーモアの原点は幼さと恥じらいだ。

 

ポイント6 職場の不満や愚痴を言うときも、人間関係のプラス面を忘れずに言

う。

 「月給が安い」から始まっては率直過ぎる。生きがいについてや社仝的なこと

に触れながら、「月給」の愚痴に入りたい。

 

ポイント7 母親に物事を押しつけず、家族を大切にしている姿勢を示す。

 "子育て上"での母親の欠点を、父親がカバーするくらいの気持ちを。そして、

カエルコールでも何でもいいから、家族を大事にしている姿勢を毎日小さなこと

で示すことに心がける。気持ちや心がけは、恥ずかしがらずに必ずカタチにする

 

ポイント8 子どもに弱音をはいてもらえる父親に。

 弱音は安心できる人にしか言えない。自分に信頼を寄せてくれる人、必要とし

てくれる人、けっして苦しいいまを否定したような言い方をしない人、そんな人

に全幅の信頼を寄せて弱音をはくもの。子どもに弱音や愚痴を言ってもらえる親

になってこそ、親であることの価値をもつ。

 

ポイント9 子どもの言葉や言いまわしに、すぐ反応したりとらわれないで、そ

の背後にある抑えている感情、気持ちをわかろうと努力する。

 子どもは本質的に「親に喜んでもらおう」として生きる存在。でも現実はそう

思うようにはならない。そんなとき、一番心を寄せている親に自分のつらさを当

たり散らしたくなる。ただ言いたいだけで、深い意味はない。だからその投げつ

けられた言葉の背景を思い、うなずくか、声をかけてほしい。

 

ポイント10 子どもの言葉にこのうえもなく腹が立ったときこそ受け流して聞く

こと。どうしても何かを伝えたいと思うなら枕詞をつけて言う。

 子どもはかなり追い詰められなければ親に向かってツッパッだような言い方は

しない。それは親の期待に応えられない自分のはがゆさから、できない子として

の「恪印」を親から押されないかと不安で気張るから。

 その心を推し量り、ただ黙って受け流すこと。聞き流すのではなく、気持ちは

受け止めつつ、行動としては聞き流す。

 どうしてもがまんできず、自分の本音を出したいときは、

 「こんな言い方をしたらお前の心を傷つけてしまうかもしれないけど……」

 「いやな言い方をするけど……」

 といった枕詞をつけて話し始める。すると子どもの方も、その間に鎧をつける

ことができる。「これから父親がイヤなことを言ってくるな」といった具合に。

 本来は本音を互いに出し合って生きていく関係が大切。

 

(「ムカつく」子どもの本当の心理、佼成出版社、1996年)

(文責 賀根村)

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